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福音派の源流と歴史的遺産

C宗教改革の三大原理と福音派

16/04/13


資料集ETH24

宗教改革の三大原理と福音派

a.聖書のみ
b.信仰義認
c.聖徒の交わりとしての教会


宗教改革の三大原理と福音派

  1.  プロテスタント

    1. 福音主義の問題―16世紀のプロテスタント宗教改革でクローズ・アップ

    2. 「プロテスタント」の名称―not only抗議する者 but also公に告白・証言する者

  2.  エラスムス

    [参考文献]「宗教改革教会史」丸山忠孝、PP.

 

  1.  カトリック

[参考文献]
『対話の中の聖書信仰』「現代カトリックの革新運動が意味するもの」宇田進、PP.96-117



(a)聖書のみ

 カトリック体制とルター

      1. 改革者ルターの叫びー16世紀の実情に抗議

      2. ヴォルムスの国会での証言・1521.4.18・最高の権威―not教皇中心の教会・カトリック・but聖書のみ・sola scriptura・

      3. 聖書のみ=信仰と生活の唯一の無謬の規範・・宗教改革者たちの共通の確信

      4. トレント公会議・1545-63・−カトリックの立場の規定・・表看板と中身

    1. 聖書と伝承の関係の問題−聖書の完全性と充分性の否定・神の啓示は未完結
      1. ・プ・not啓示資料としての伝承but伝承観の否定

    2. 外典の問題外典を正典視

      1. ・プ・正典と外典をはっきりと区別−not主観的選択but外典の内容

    3. 教皇を中心とする“教える教会”の問題

      1. ・プ・not教会の権威とその決定but聖書の自己証言

      2. すべてのクリスチャンの所有物

        1. 内容の明瞭さ

        2. 聖書を解釈し理解する資格

        3. 聖書が聖書を解釈する

      3. プロテスタント福音派の根本的確信−“聖書のみ”の原理

      4. 唯一の神のことば、唯一の指導者、唯一の源泉、唯一の資格ある審判者


[参考文献]「ウストミンスター信仰告白」
「基督教綱要」J.カルヴァン
「聖書の霊感と権威」B.B.ウォーフィールド



(b)信仰義認

  1. ルターの言明−“義認の条項”の問題

    罪人はいかにして神に義と認められ、神との正しい関係に入ることができるか」-「ただ恵みによる」・sola gratia・、「ただ信仰によって」・sola fide・
  2. トレント公会議の宣言−“信仰義認の教理”を異端視−9,11,12条

    トレントの主張・・人間の側の状態いかんによって、義認は変化、動揺→義認の一回的完結性と救いの確かさの喪失
  3. 救いにおける「神人協力説」の問題

    1. 人間観の問題−アダムの堕落以前に不穏な性向→抑制のために“原義”の追加→堕落においては“原義”の喪失

    2. 自由意志・自然的理性は大丈夫(教令:第5章)-「恩恵に自由に同意し、協力して、彼ら自身の変化に心を向けるように準備する」

    3. アベ・マリヤ(聖母崇敬)神の恵みと人間のすべての協働のモデル=教会の原型

  4. 宗教改革者たちの「人間観」
    1. 全的堕落性、全的無能性

      1. アダムの罪を引き継ぎ・ローマ 5:12-19・

      2. 神に敵対す る者・コロ 1:21・

      3. 神を愛さず、みこころを喜ばず・ローマ 3:11・

      4. 律法成就する能力 なし・ローマ 3:12・

      5. 自由意志も全く罪に縛られ罪の奴隷・ヨハ 8:34・

    2. アウグスティヌスの立場−「告白」神の恵みにたよるしかない=信仰の根本

    3. B.ウォーフィールド−「アウグスティヌスは、“エバンジェリカル”をあかしした宗教的天才である」



(c)聖徒の交わりとしての教会

  1. 教皇を中心とする教職位階制の問題

    1. C.ホッジ「プロテスタントとカトリックの相違点のほとんどすべては、“教会とは何か”という問いに対する決定にかかっている」

    2. カトリック要理「救いの普遍的秘跡、神の民、キリストの神秘的からだ、キリストの定めた役職制度をもつ信者の集まり」

    3. ドミニコ会修道士「普遍的教会は・・ローマ教会・・名目上、枢機卿・・実質的、法王」

    4. C.ホッジ「キリストの代理としてのローマ教皇に服従する外形的社会

    5. ザッセ「もう一人のキリスト」「神と罪人との間の唯一の仲保者」-カトリックの教会観の中心=教皇を頂点とする聖職位階制

    6. 岡田稔−仲保者としてのキリストの贖罪事業高く評価せず→ギャップを埋める役割を教会が担う[参考文献]・Systematic Theology・, Charles Hodge

  2. キリストの代理としての不可謬な教皇の問題

    1. 教皇制−グレゴリウス1世・590-604在位・創設

    2. 第一バチカン公会議・1869-70・−“教皇の不可謬性”の決議

    3. ローマ教皇=・Pope・=父,・Pontiff・=橋+作る・・「橋をかける」仲保者の意

    4. 一個の人間=霊の父、仲保者←非聖書的

    5. 聖書の証言−父はただひとり、天にいます父だけ・マタ 23:9・

    6. 仲介者も唯一、キリスト・イエス・Tテモ 2:5・

    7. 教皇=イエス・キリストの代理

    8. 聖書の証言−聖霊こそイエスがいなくなった時の・イエスの現臨・・ヨハ 14:16,26・

      [参考文献]「ゆるぎなき権威?−無謬性を問う」ハンス・キュンク
      「キリストの教会」岡田稔

  3. 教会の使徒性(使徒的福音、使徒的使命、使徒の交わりと礼典の継承)

    1. 二つの仮定(教皇制の歴史的根拠)→「使徒継承」の主張(聖書的根拠なし)

      1. ペテロが主イエスによって全教会の首長として立てられた。

      2. ペテロは、司教座をローマに定めた。

      3. ゆえにローマの司教なる教皇は聖ペテロの相続者

    2. ニカイア・コンスタンティノポリス信条−「使徒的教会を信ず」使徒性の大切さ

      教会の使徒性

      1. 使徒たちが宣べ伝えた福音と教えた教理

      2. 使徒たちの使命

      3. 使徒たちの交わりと礼典

  4. 改革者たちの教会観

    1. ベルギー信条、アウグスブルク信仰告白−「キリスト者の会衆また集会」

    2. 使徒信条、ハイデルベルク信仰問答「聖徒の交わり」

    3. ルター「万民祭司」

      1. 信仰者はすべて神の御前で祭司である←聖職者の特権的位置に対して

      2. 信仰者はすべて平等に神に接することができる←霊的階級性に対して

      3. 人間の職業はすべて神より召された職域である←聖俗という優劣の考え方に対して

  5. まとめ

    1. 「聖書のみ」「信仰義認」「聖徒の交わりとしての教会」

    2. フィリップ・シャッフ−客観的、主体的、社会的要素

    3. ラム−「福音主義キリスト教はこの三大原理を忠実に継承するゆえに、宗教改革 のすえである