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日本福音教会 あれこれ@(安黒試論)
ルーツ・アイデンティティ・ストラトジィの輪郭
17/06/03
このファイルでは、私の所属している日本福音教会(Japan Evangelical Churches)のルーツやアイデンティティなどについて、個人的見解としていろいろと書き留めてみたい。質疑などありましたら気軽にメールをいただきたい。
【南大阪福音教会セミナー】
1998.5.17
… JECの
ルーツ・アイデンティティ・ストラトジィ …
(個人的見解)
1. Japan Evangelical Churches の ルーツ
ウォッチマン・ニーの主要著作集「キリスト者の標準」「キリスト者の行程」「霊の解放」などを通して
2. Japan Evangelical Churches の アイデンティティ
3. Japan Evangelical Churches の ストラトジィ
世界宣教とアイデンティティ
- オレブロ・ミッションとは「バプテスト運動」です。
新生した者のみに浸礼をさずけて、教会を形成する。(「バプテストの本質」H.ロビンソン)
- 教会と国家が明確に分離した「フリーチャーチ型キリスト教」の特質(アメリカ)(「福音主義キリスト教と福音派」宇田進)
- 歴史的伝統からの自由
- 聖書以外に信条なし
- 自発に基づく原則
- 魂を救うこと以外には、何のかかわりも
- リバイバリズム
- 敬虔主義
- 反知性的傾向
- 教派間の競争
3. コンテクスチュアリゼーション(JECにおける課題)
- 付随する非本質的な社会的・文化的・歴史的諸要素のろ過
- 福音の本質的事柄の確認
- 福音の私たちの生のコンテキスト・歴史的状況に翻訳
2. オレブロ・ミッションの宣教方針は、「ローザンヌ誓約」を宣教活動の基本方針として。
全き福音の全きキリスト教を全世界の全ての人々に
開拓伝道を優先、そして教えと教会設立を重視
諸国の文化との調和の中で、伝道と社会福祉事業とのバランス
全ての働きが早く土着化することを目標
新しい企画の実践は、現地のクリスチャンとの協力関係の中で
インターアクトについて
スウェーデンにおける三つの団体が合同
「インターアクト」の二重の意味:インターナショナル(国際的)とインテグレイティド(統合的)な宣教活動
JECにおける内外の宣教のあり方の基本方針として、「ローザンヌ誓約」を研究することは大切(JECにおける課題)
旧オレブロ系の教会と宣教師は、JECとの関係を維持
2. ウォッチマン・ニー著作集、「組織神学」H.シーセン、"Introducing Christian Doctrine" M.J.Erickson,Bakerなど)から
1. 使徒的キリスト教…使徒たちの福音理解と実存
2. 古代教会の正統信仰…三位一体論、キリストの二性一人格論
3. 宗教改革の三大原理…聖書のみ、信仰義認、聖徒の交わりとしての教会
(ルーツとアイデンティティの確認と掘り下げ、再構築/JECにおける課題)
1. 「内なる人」の強調、新生、聖化、完成の強調
2. 「我々のためのキリスト」に加えて「内なるキリスト」
3. 聖霊の働きの重視
4. 信仰における感情の積極的評価
○ (ウィットネス・リーのローカル・チャーチ運動で、とばっちりを受けた「ウォッチマン・ニー著作集」の教えを、より広い健全な神学の視野からケズィック運動の影響や敬虔主義運動の遺産の継承者として再評価し、JECの霊的遺産を健全なかたちで継承し発展させていくことが課題。)
3. カリスマ運動から
○ 新約聖書時代の教会を今日の教会の青写真として
○ 新約聖書の四つの相違するモデル
("Jesus & the Spirit","Unity & Diversity in the
Newtestament" , J.D.G.Dunn)
1. ルカ 型…カリスマ的、恍惚的諸経験のバイタリティ(古典的ペンテコステ型)
2. パウロ型…カリスマ的共同体のビジョン(カリスマ運動型)
3. 牧会書簡型…御霊の囚人服としての伝統(保守福音派型)
4. ヨハネ型…増大する組織化、儀式化(カトリック型)
(○ ペンテコステ運動、カリスマ運動、第三の波の運動や「霊的戦い」「地域に働く霊」などの次々と提示されている主題に関して、J.D.G.ダンなどの底の深い聖書研究の積み重ねが大切)
○ ダンは、新約聖書の中に多様な教会のあり方をみており、今日におけるキリスト教会のあり方の多様性に対して、新約聖書は「受け入れられる多様性の限界線を描き出すところの正典」として機能すると述べている。
世界的クリスチャン像について
(「キリスト教世界宣教―今日と明日―」J.ハーバート・ケイン)
1. JECスプリング・キャンプの内容構成(福音理解のフル・コース)
(第一日)/寸劇、伝道的集会(神・罪・救い)
(第二日)聖書講解/分科会/集会T(血と十字架)
*分科会:キリスト教入門、救いの確信、洗礼、聖霊のバプテスマ、奉仕
(第三日)聖書講解/フリータイム/集会U(聖霊)
(第四日)集会V(キリストのからだなる教会:奉仕、証し、宣教)
2. ケズック・コンベンションの内容構成との類似
("Keep in Step with the Spirit"J.I.Packer,
IVP."Five Views on
Sanctification"Dieter,Hoekema,Horton,McQuilkin,Walvoord,Zondeervan)
(月)Sin罪意識
(火)Identification
(水)Consecration
(木)Life in the Spirit
(金)Service,Mission
3. 世界的クリスチャンの要素
宣教の聖書的基盤
"The Christian World Mission:Today & Tomorrow", J.H.Kane,Baker
1. Jehovah, A Missionary God/主は宣教の神
2. The Bible, A Missionary Book/聖書は宣教の書物
3. The Gospel, A Missionary Message/福音は宣教のメッセージ
4. The Church, A Witnessing Community/教会は証しの共同体
5. Every Christian, A World Christian/すべてのクリスチャンは世界的クリスチャン
○ What a World Christian Is/世界的クリスチャンとは何か
1. A world Christian is one who acknowledges the universal fatherhood of God./世界的クリスチャンとは、神の普遍的父性を知っている人である。2. A world Christian is one who acknowledges the universal lordship of Christ./世界的クリスチャンはキリストの普遍的主性を知っている人である。
3. A world Christian is one who recognizes the cosmopolitan composition of the Christian church./世界的クリスチャンとは、キリスト教会の国際的(多民族多言語)構成を認識している人である。
4. A world Christian is one who recognizes the prime importance of the Christian mission./世界的クリスチャンとは、キリスト教宣教の至高の重要性を認識している人である。
5. A world Christian is one who recognizes his own personal responsibility for all phases of the Christian world mission./世界的クリスチャンとは、キリスト教世界宣教のすべての局面に対して彼自身の個人的責任を認識している。
○ What a World Christian Does/世界的クリスチャンは何をするのか
1. A world Christian will seek to increase his knowledge of world affairs./世界的クリスチャンは、世界の出来事についての知識を増し加えようとする。2. A world Christian will broaden his view of the church./世界的クリスチャンは、教会についての見方を広げていく。
3. A world Christian will want to increase his understanding of the Christian Mission./世界的クリスチャンは、キリスト教宣教についての理解を増し加えることをのぞむ。
4. A world Christian will enlarge the scope of his prayer life./世界的クリスチャンは、彼の祈りの生活の視界を拡大していく。
5. A world Christian will go abroad if opportunity affords./世界的クリスチャンは、もし機会が与えられるなら海外へ出かけていく。
6. A world Christian will change his lifestyle./世界的クリスチャンは、彼のライフ・スタイルを変えていく。
7. A world Christian will recognize his personal responsibility for world mission./世界的クリスチャンは、世界宣教における彼の個人的責任を認識している。
JECにおけるクリスチャン像
「キリスト者の標準」ウォッチマン・ニー ,いのちのことば社,
"Understanding Watchman Nee", Dana Roberts, haven books
1. 義認・新生
1. 十字架上の贖いのわざにおける主イエスの啓示
2. 悔い改めと信仰
2. 罪からの解放
1. 聖霊の啓示のわざ/「知る」こと
2. 信仰の転機/「認める」こと
3. 献身の継続的過程/「自分自身を神にささげる」こと
3. 聖霊の賜物
1. 高く挙げられた主イエスを「見る」
2. 注がれた聖霊と内住の御霊の体験
4. 神をお喜ばせすること
1.「肉」−自己生命の全部分−に関する十字架の価値が分かるための照明
2.「行い」を中止し、キリストのいのちの大能の働きを受け入れる(狭き門)
3.「御霊に服従する歩み」(狭き道)
5. 奉仕の条件、奉仕の基礎
1. 死と復活の原理
2. 「生来の力」の処理(暗黒の夜)
3. 「肉」の源泉を深く泥さらえする(日々の十字架)
○"Normal Christian Life"(求心的)を基盤とした"World Christian Life"(遠心的) の位置づけ