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ICI Daily & Diary Lectures

2010年04月 ICI日誌

2017/03/20

 


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 [Monthly] 一宮基督教研究所インフォメーション・メール 2010/04/01-04/30
     One More Paragraph!   −組織神学的瞑想のひととき−
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主の御名を崇めます。
 今月は、他教会奉仕、神学校奉仕、セミナー奉仕等の諸準備をホームページ上で取り組んだということもあり、結構多くの書き込みをすることが できました。メインは先月と同様『福音主義教会論:再考』という視点です。

 1948年の世界教会協議会で、ゲオルギー・フロローフスキー神父は、「教会に関する教理は神学以前の状態をほとんど超えていない」と主張しました。エリクソンも、その著作『新福音主義神学』において、福音主義者の間で、「教会論のすぐれた著作が少ない」ことに言及しています。これは、三位一体論、キリスト論、贖罪論等に比べて、「教会とは何なのか」という中心主題にまで至ることがなかったからだと言われています。WCCでは、その後数多くの教会論についての議論と著作が生み出されてきました。それらの全体の展開を眺望しつつ、福音主義にたつ私たちにとっての「教会論」のあり方、考え方、捉え方について、いろいろと考えてみました。宇田師も「教会は、自己の根源について徹底的に問い直し」とモルトマンの言葉を引用してチャレンジしておられます。まだ、発展途上の取り組みではありますが、皆様のご奉仕の参考にしていただければ幸いです。

 また、五月末には、案内しておりますように、『福音主義“教会論”再考』というテーマで、聖書と歴史における“教会論”の鳥瞰図を眺め、福音主義“教会論”の取り組みがなされた宗教改革と正統主義神学の時代、そして福音主義教会論の破滅と位置づけられるシュライエルマッハーの教会論の捉え方と今日のWCCやローザンヌ運動における教会論への言及等々に目配りし、歴史的に構築されてきた「福音主義教会論」の輪郭を特定し、その基盤がゆるがされてはいないのかを点検・修理し、宇田−エリクソン路線で「福音主義“教会論”」を再構築していく手順・道筋を探っていく試みを提示ざていただきます。午前・午後一時間ずつの講演と、20−30分ずつの質疑応答の時間が予定されています。参加してくださる方々にとって豊かな学びのときとなるようお祈りください。また、時間のある方はぜひ出席し、ともに「福音主義教会論」に関してともに研鑽のときをもっていただけたら感謝です。

 今回のICI Monthly April は、少し分量が多いですが、それは五月末のセミナー内容について知っていただきたいという願いからのものです。ブリントアウトして繰り返し読んでいただけますと、多くの洞察と刺激を得ていただけるものと思います。

                                      あぐろ


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Evangelical Ecclesiology: Construction→Deconstruction→Reconstruction
       「福音主義教会論:再考」準備ノート P             
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  • 「福音主義教会論:再考」のセミナー講演の準備をしている。この準備は、ひとつのセミナー奉仕だけが念頭にあるのではない。私自身のうちに構築されてきた「福音理解」の分解と再構築が課題としてある。その全体の文脈の中にあるひとつの出来事としてのセミナーである。また、このセミナーの直前には生駒聖書学院で、エリクソン著『キリスト教神学』第四巻、第十一部「教会論」の集中講義があり、セミナーの翌日には所属団体JEC日本福音教会の拡大教職者セミナーで「JECアイデンティティ・シリーズ:JECの教会論“教会におけるリーダーシップ(教会政治論)について”の基調講演・パネルディスカッション・質疑応答・全体総括」が予定されている。わたしは、その中で全体の総括をすることになっている。生駒の集中講義は、エリクソンの「教会論」を再度丁寧に振り返る機会、セミナーはわたしにとって新しい領域を切り開く機会となっている。そしてセミナー講演は、教職者会での総括に向けての下準備ともなっている。つまり、多くの奉仕の中で単発的に準備することは難しいので、常に諸奉仕全体の文脈の中でセミナー準備を位置付けながら準備しているのである。また、「福音主義教会論:再考」は、神学入門再考から終末論再考に至る他の項目との有機的関連性も意識しながら進めていくつもりである。このように意識し関連づけで取り組むことは、いくつかの奉仕がいろんな意味で衝突することなく、かえって相乗効果が生まれるのである。つまり、負担の軽減に役立つということである。ひとつの奉仕準備することは、他の奉仕準備をすることでもある。

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Evangelical Ecclesiology: Construction→Deconstruction→Reconstruction
       「福音主義教会論:再考」準備ノート O             
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  • 私自身の教会的状況、また実存的状況からの視点というのは、わたしの所属教派ないし所属している群れにおいて「教会論」がどのように捉えられているのか、ということである。丸山師の教会論史において、「教会論」を決定する重要な二つの要素として、“秩序”と“カリスマ(霊性)”があると教えられた。丸山忠孝師(「新聖書辞典」いのちのことば社、1988, p.383)は、教会組織という項目で次のように述べておられる。「(3)秩序とカリスマ−新約教会の形成に伴い、秩序とカリスマとの関係が教会組織上の基本原則として注目されるようになった。秩序とは、 ・・・(Tコリント 14:40)、 秩序指向的で役職や制度に権威のよりどころを求める傾向 ・・・ 。これに対し、カリスマとは、 ・・・ (Uコリント 3:17)、自由指向的で、霊的な賜物や異常な力に権威のよりどころを求める傾向 ・・・ 。もちろん両者の背後にはキリストと聖霊 ・・・ という二つの権威が控えていよう。教会組織における秩序とカリスマの間の調和とバランスは、教会のあり方を決定するほどの重要性をもつ。 ・・・ 新約聖書の教会組織に関するかぎり、それがカリスマ的自由の乱用により混乱をまねくものであってならないが、また聖霊の自由な働きを妨げる堅苦しい制度とみなされてもいない。(エペソ 4:4-5)」 。
  • また、宇田師も「教会論」の論稿において「教会と聖霊の関係を見ていく時,われわれは,聖霊を教会の捕われ人のように束縛・限定してしまう誤りと,逆に,教会は聖霊を自由な道具であるかのようにあしらえると考える誤り,の双方に注意しなければならない.ヘンドリクス・ベルクホッフは,『聖霊の教理』(1964)の中で,聖霊の創造に成る教会は,同時に制度であり共同体であると述べ,制度的組織面すでに樹立された歴史的・社会的秩序の諸関係と諸様式,一定の形態と構造)と,共同体としての出来事的側面聖霊によって動的・精力的に何かが起ること,人間の応答の自発的性質と恵みにおける共同体の生活の過程的性格)の双方の領域における聖霊の二重の働きの吟味を勧めている.特に教会史において,カトリック型は前者に偏し,アナバプテスト,敬虔主義,福音派,ファンダメンタリズム,ペンテコステ派は後者に偏したと分析した上で,両面を,例えば根と実との相互関係のように一つの不可分的な運動としてとらえなければ,教会の着実な伸展に資する健全な理解とは言えないと指摘している」と記されている。
  • 私たちの群れは、おおまかに教会史をたどれば、初代教会→古代教会→中世カトリック教会→英国国教会→会衆派ピューリタン→バプテスト教会→米国バプテスト教会→スウェーデン・バプテスト教会→スウェーデン・バプテスト系オレブ・ミッション(現在、三派合同で“インターアクト”となっている)→日本福音教会(JEC)ということになる。このようにみると、歴史は“振り子”のように動いている。ペールマンは、「教会論」描写の導入において「多くの解釈者はこう考えている」と書き始め、「新約聖書の教会の中でペンテコステ的霊的教会は、終末が近いという期待が消えていくと共にやがて制度的教会となったと」記す。「その自己理解によると、霊と秩序とは退け合うものではなく、互いに包含しあうものである」。「すでに新約聖書の時代に、霊的教会が同時に制度的教会であるとはいえ、そこには、まだ職務の階層性は存在していない」とある。古代から中世への教会史の中で、職務の階層化は進展していった。わたしたちの群れの歴史との関係でいえば、この職務の階層化に大きな変化が起こったのは、英国国教会内部における「会衆派ピューリタン」の運動においてである。この運動の霊的遺産がバプテスト運動に受け継がれ、今日の私たちの群れにおける“会衆政治”に結びついている。私たちの群れは、戦後来日したスウェーデン宣教師の働きによって形成された。教会政治のあり方は、宣教師の母国のあり方が、聖書的なものとしてそのまま継承され、教会形成の中で生かされてきた。これらのあり方は、私たちの群れの中で、ある意味で“空気”のように、“文化”として自然に継承されてきている。これは良いことであろう。しかし、課題はないのだろうか。なければそれで良いのだが、実際的な運用において、微調整が必要であったり、教会形成現場で試行錯誤する中で生まれたきた知恵を教職者間で分かち合うことは有益であろう。戦後宣教約五十年、半世紀を経た。車でいえばあちこちに故障が、家でいえば修理が、人間でいえばCTスキャンをかけて健康チェックが必要な時期にあたる。完全な診断、また再考は不可能かもしれないが、とにもかくにも第一段階として、包括的な視点から「私たちが保有している教会論全般」について診断しておくことには意義があると思うのである。

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     「福音主義教会論:再考」準備ノート N             
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  • ペールマンは言う。「教義学は、本質的には教会の“機能”である。教義学をただ、教会の肢として、教会の委託、教会に対する奉仕の意識をもって行う」ものであると。また神学は全く中立的な学問ではありえず、むしろただ実存的ににのみ関わりうる学問、神はあらかじめ神によって捉えられることなしには、理解しえない、神学は前もって神と語った時のみ、神について語る、神讃美でない神学はもはや神学とは言えない、神学の実存的性格、語る者の具体的、実存的状況に関わることなしに一般的命題によって、神について語ることはできない、神について語ることは自分自身について語ることを意味するのである、と記している。
  • これは、神学全般への言及であるが、神学の一部門である「教会論」にもいえることである。つまり、いわんとすることは「教会論」という一般的神学的命題を、一般的な方向から語り始めるのではなく、わたし個人の教会的・実存的脈絡から語り始めることの意義である。これは、「教会論」という命題がきわめて広範囲かつ多様な内容をもつゆえである。「教会論」という命題を扱うときに、一般的命題の視点からのみ扱うと、糸の切れた凧のようになってしまう。凧は空中にあるのだが、地上のある地点からコントロールされる。同様に、一般的命題としての「教会論」ではあるが、その多様性の中で、わたし個人の実存的脈絡は地上からの凧の糸のように、「教会論」が空中でさまようことなくコントロールする糸となるのではないかと思うのである。
  • わたし自身の救い、教会生活、奉仕生涯の関連の視点からも、「教会」とは何であるのか、を解き明かしていきたい。

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     「福音主義教会論:再考」準備ノート M             
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     2010.04.25 山崎チャペル・一宮基督教研究所 
            詩篇シリーズA   
        Ichinomiya Christian Institute Chapel Short Message
        『主は私の羊飼い。私は乏しいことがありません
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     2010.04.18 山崎チャペル・一宮基督教研究所
              詩篇シリーズ@
       Ichinomiya Christian Institute Chapel Short Message
       『主よ。あなたは私を探り、私を知っておられます
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           委託販売中! 仲井隆典著
  『ディスペンセーション終末論の克服

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        ICI audio streaming lectures
      『神学入門』

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ICI News 100419
いのちのことば社創立60周年記念出版
   『聖書神学事典』のご案内

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Evangelical Theology: Construction→Deconstruction→Reconstruction
     「福音主義神学入門:再考」準備ノート B             
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     「福音主義神学入門:再考」準備ノート A             
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Evangelical Anthropology: Construction→Deconstruction→Reconstruction
      「福音主義人間論:再考」準備ノート              
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     「福音主義教会論:再考」準備ノート L             
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     「福音主義教会論:再考」準備ノート K             
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     「福音主義教会論:再考」準備ノート J             
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     2010.04.04 和歌山福音教会イースター・ファミリー礼拝 
            教会論シリーズI     
        Ichinomiya Christian Institute Chapel Short Message
           『復活のいのちに生きる教会
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       「イースター礼拝説教」準備ノートB             
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             書籍紹介
    @ Pöhlmann, Horst G.Heiliger Geist
           
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       「イースター礼拝説教」準備ノートA             
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Japan Evangelical Churches & All of  Evangelical Denominations in Japan
      「私は、二つのJを愛する」下書きノート            
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       「イースター礼拝説教」準備ノート@             
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