ICI ホームページ表紙 3.神の啓示 1.啓示概念のシフト 2.自然神学への回帰? 3.一般啓示の理解−How? 4.特別・救贖啓示 5.特別啓示と聖書 6.聖書に関する12項 7.バルトの「神の言葉」 8.聖書のバビロニア捕囚 9.聖書の非神話化論


第七節 カール・バルトの「神の言葉」と日本の教会

2011/07/19


  1. バルトにおける「神の言葉」
    1. 「キリスト教教義学の規範」の問題-根本的拠点的な問題
    2. 聖書は-「神的な、啓示されてある姿」ではなく、神の啓示についての「証言」(『教会教義学』T・二、p.562,p.511-)
    3. 啓示は-神の自由における行為であり、神と人間との関係における「出来事」「ハプニング」(『教会教義学』T・一、p.116-)
    4. 聖書は-堕落した被造物(例・人間の言語)を媒介にして成立、「この世的制約性」「人間性」を帯びて(『教会教義学』T・一、p.171-;T・二、p.513)
      1. 古代の世界像と人間理解
      2. 独自な歴史の扱い方
        1. 神話の立場を-歴史に関わりをもたない人間の創造物として否定するが
        2. 聖書は-史実的歴史、「歴史物語あるいは口碑」および「伝説」との区別せず
      3. 宗教的神学的な矛盾・交錯の存在
      4. イスラエル的精神の産物(『教会教義学』T・二、p.564-)
    5. 聖書の実相の解明には
      1. 近代の歴史的文献的批評の方法の適用により
      2. 聖書は-人間的で可謬な宗教的証言文書(『教会教義学』T・二、p.547-)
    6. 聖書観
      1. 伝統的立場
        1. 聖書の生成時に働いた聖霊による「霊感」の働き、
        2. より具体的には「言語霊感」によって
        3. 聖書の神言性が根拠づけられる
          1. Uテモテ3:16の「聖書はすべて、神の霊感によるもの」とは
          2. 個々人が-聖書と実存的に出会う際に働く「聖霊の内的証明」とは区別される
          3. 存在上の意味での「基礎事実」あるいは「一つの帰属する質」と考え
          4. そこに聖書の真実性の根拠を見出してきた
            1. 換言すれば、聖書と神の言葉との直接的同一性∞等置
            2. 現象面の研究から言われる-聖書の未解決問題≠フ存在は認めつつも
      2. バルトの立場
        1. 「言語霊感説(ことばが霊感を受けた状態を保っていること)」と受け取った-ひとつの誤解
        2. 聖書を-「神託の書物」とする一種の「魔術的・機械的物化」とみなして否定
        3. 「間接的同一性」の立場
           
  2. 問題点-「神秘的弁証法」を中心に