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第十一部 教会
49.教会の性質
1.教会を定義する
a.教会とみなすことにおける混乱
b.教会の経験的−動態的定義
c.教会の聖書的−言語的定義
2.教会の聖書的イメージ
3.特殊な諸問題
4.含蓄
50.教会の役割
51.教会の統治
52.教会の入会儀式:バプテスマ
53.教会の継続的儀式:主の晩餐
54.教会の一致
参考文献:H.G.ペールマン「教会について/B.現代の論争」『現代教義学総説』
11/07/19
第十一部 教会
(小項目)
49.教会の性質
- 教会を定義する
- 教会とみなすことにおける混乱
- 「教会」とは何を意味するのか
- 「教会の基本的性質」についての無理解
- 「教会論」−直接的で完全な注目を集める時期がなかった
- 「教会に関する教理」は、神学以前の段階をほとんど越えていない(ゲオルギー・フロローフスキー神父)
- 20世紀のエキュメニカル運動−「教会の本質」という問題を無視すること不可能
-
神学的著作の多く−「教会」をテーマ、しかし実際的方向性を示す。これらの洞察は、「教会に関する神学的理解」によって相互に関連づけられる必要
-
「教会に関する多くの議論」−世俗社会等、他の実体との関わりという視点から、「教会そのもの」ではなく、「他の実体」に焦点
- 「教会の本質」についての明確な理解なしに、他の分野との関連にも明確な理解もつこと不可能
- 「社会の変化やそこでの使命」に焦点
- 全体的に、者の考え方が「世俗的なもの」に
-
「神」論−超越性の強調→内在性の強調、「教会論」−神の「超自然的機関」→「社会的機関」、「教会の本質」→「教会の使命」
- 伝統的な「教会」理解とそれからの変化
- 「世とは別のもの」「世と向かい合って立ち」「世を変革しようとするもの」
- カトリクック−「恵みの宝庫」をサクラメントを通して
- プロテスタント−「福音、救いの良き知らせ」を福音を聞き、信じ、義と認められ、再生させられる
- 神は「教会」という正式機関の外で、「この世」の中で直接働いておられる
- キリスト者であるとは公言しない個人や機関を通してでも、ご自身の目的達成
- 「救いの本質」「救いの方法」における一部変化
- 教会の経験的−動態的定義
- 「教会論」発展の阻害要素
- 20世紀−哲学、特に“形而上学・存在論”を嫌悪する傾向
- 事柄の「理論的な性質」に、具体的に歴史に「どう姿を表すか」ほど関心示さず
- 現代神学−「教会の本質」的理解→「教会の動態」的理解
-
演繹的・プラトン的哲学手法−まず「理想的教会(混じりけのなか不動の本質)」の定義→具体的な事例(不完全な写し、影)
- 歴史的手法−帰納的に、「今あるもの」との関わり・「世界の状況とその中にある諸問題」→「教会のあるべき姿」をつくる
- 「超世俗的なもの(見えない実在の領域)」→「世俗的なもの(観察できる領域)」への移行
- 文化の中で起こった「方向性」の移行
- 「教会の本質−これらの推測にすぎない話題は、推測の領域に引きずり込むもの」(カール・マイケルソン)
- 「この移行−歓迎すべきこと」(コリン・ウィリアムズ)
- 「理論的本質」→「経験的存在」への重点の移行
- 全世界を独特の方法でみる−「固定」→「流動」
- 「活字重視」文化→「口と耳」からの文化
-
言語観−「定着した形」→「動態的」「生きていて常に変化するもの」「言語の規制は実際の使われ方で決まる」「実在−動態的なもの」
- 教会−動態的なもの
- 「本質」から→「実存的解釈」
- 「教義学」「組織神学」からの研究対象→「他の諸学」「諸方法論」を通しての研究
- 教会の神学的自己解明努力における危険−「社会的機関」のひとつと化す
- 動態的視点からの「教会の本質」理解
- not 解釈者の方法 but 改変者の方法
- 「世界の変化」していく状況に合わせて、「教理の内容」に重大な手直し
- 「教会の定義」と「現代の世界」
- あらゆる「変化」を貫いて、教会を教会とする“共通の糸”とは何か
- Changing World における Church の、Eternal Nature とChanging
Parts の区別
- 「教会の本質」という問題−聖書の証言そのものから始める
- 教会の聖書的−言語的定義
- 教会の聖書的イメージ
- 神の民
- キリストのからだ
- 聖霊の宮
- 特殊な諸問題
- 教会と御国
- イエスのペテロへの言葉「わたしは、あなたに天の御国の鍵をあげます」(マタイ16:18-19)
- ゲルハルダス・ヴォス『神の国と教会に関するイエスの教え』
- ジョージ・ラッド『イエスと神の国』
- 教会は御国ではない。
- 御国は教会を創造する。
- 教会は御国を証しする。
- 教会は御国の用いる道具である。
- 教会は御国の管理者である。
- 教会とイスラエル
- 改革派の神学者(ルイス・ベルコフ著『組織神学』)
- 字義上のイスラエルが事実上、教会または霊のイスラエルに飲み込まれている、あるいは置き換えられている。
- 字義上のイスラエルとの関係において成就されるべきものは残されていない。
- 従って、ユダヤ人がかみのみわざの中で目立った位置に回復されるという千年期の必要はなくなる。
- ディスペンセーション主義者
- イスラエルと教会を、神がそれぞれ違った方法で取り扱う、永遠に別個の二つの実体と見なしている。
- 「真理は二つの極端の間にある」(ラッド)
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霊のイスラエルが多くの点で、字義上のイスラエルの代わりとなっている(ローマ2:28-29,ガラテヤ3:29、ローマ4:11,16,18、9:7-8)。
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旧約聖書で字義上のイスラエルに直接向けられていた約束の中に、霊のイスラエルである教会において成就されたと新約聖書の記者が見なしているものがある(ホセア2:23、1:6-11、ローマ9:24-25、ヨエル2:28、使徒2:17)。
-
しかしながら、イスラエル国民には未来がある。彼らは今も特別な民である(ローマ11:15,26)。それでも、イスラエルが救われるのは、異邦人がしたように教会に加わることによってである。新約聖書のどこにも、それ以外に救いの根拠があるとは言われていない。
- 教会は新しいイスラエルである。古い契約の中でイスラエルが占めていた地位を、新しい契約の中で占めている。
- 旧約聖書では、神の国にはイスラエル国民が住んでおり、新約聖書では教会が住んでいる。
- しかし、イスラエル国民には、大規模なキリストへの回心と教会への加盟を通して特別な未来がやってくる。
- 見える教会と見えない教会
- アウグスティヌス→ルター→カルヴァン
- 「聖書に説明されている教会の特質」と「経験的な教会の特徴」の外見上の矛盾への対処
- 「真の教会」と「地上にある制度」の齟齬の問題
- 「個人的・霊的要素」と「制度的要素」の問題
- ローマ・カトリック主義
- 「わたしの教会を建てます」(マタイ16:18)=“制定権”をもつ宣言
- 使徒たちに“特別な身分”の付与=恵みを分与する権威(マタイ16:19)−使徒たち→後継者→現在
- 真の教会のしるし=“使徒性”−使徒たちに“排他的販売権”を付与
- “使徒的系譜”=真の教会のしるし、使徒的系譜なしに、教会なし、救いなし、クリスチャンなし
- 教会に対する敬虔主義的アプローチ
- 個人の、イエス・キリストを通して
- 教会の発端の時期
- 含蓄
50.教会の役割
- 教会の機能
- 伝道
- 建徳
- 礼拝
- 社会的関心
- 教会の奉仕の心
- 教会の性格
- 喜んで仕える
- 適応性
51.教会の統治
- 教会政治の諸形式
- 聖公会
- 長老派
- 会衆派
- nongovernment
- 今日のめたに、教会政治のシステムを構築する
52.教会の入会儀式:バプテスマ
- バプテスマについての基本的見方
- 救いの恵みの手段としてのバプテスマ
- 契約のしるし、証印としてのバプテスマ
- 救いの証拠としてのバプテスマ
- 諸問題を解決する
- バプテスマの意味
- バプテスマの実体
- バプテスマの様式
53.教会の継続的儀式:主の晩餐
- 一致する論点
- キリストによる設立
- 繰り返しの必要性
- 宣言の形式
- 分与者への霊的益
- キリストに従う者に限定
- 水平的次元
- 不一致の論点
- キリストの臨在
- 儀式の効果
- 適切な奉仕者
- 適切な受領者
- 使用されるべき諸要素
- 主要な見方
- 伝統的ローマ・カトリックの見方
- ルター派の見方
- 改革派の見方
- ツウィングリの見方
- 諸問題を扱う
- キリストの臨在
- 儀式の効果
- 適切な奉仕者
- 適切な受領者
- 使用されるべき要素
- 習慣としての頻度
54.教会の一致
- 教会の一致に関する議論
- 信仰者の一致に関する聖書的教え
- 一般的な神学的考慮
- 実際的考慮:共同の証しと効果
- 一致の性質についての諸概念
- 霊的一致
- 相互の認識と交わり
- 宗教会議の一致
- 組織的一致
- エキュメニズムについての歴史と今日の状態
- 福音主義者によって提議されている諸問題
- 神学的問題
- 教会論的問題
- 方法論的問題
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目的論的問題
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行動のためのガイドライン
宇田進「教会の理解と誤解」『総説・福音主義神学』いのちのことば社
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宇田進「教会論」
『新・キリスト教辞典』いのちのことば社
宇田進「教会論」講義ノート
○文献・資料の項目
H.G.ペールマン「教会について/B.現代の論争」『現代教義学総説』1982
- 前提
- 新約聖書
- 古代教会
- 中世
- 宗教改革
- 正統主義
- 敬虔主義
- ロマン主義と新ルター主義
- リヒアルト・ローテ「脱教会的解釈」
- 最近のカトリシズムの教会論
- 現代の論争
- 真の教会の指標
- 教会の本質
- 教会論
- ローマ・カトリックの教会論
- ルター派の教会論
- 改革派の教会論
- 再洗礼派の教会論
- 見える教会と見えざる教会
- 顕在的教会と潜在的教会
- 教会と国家(ないしは二つの王国)
- 教会の民主化
- 教会と諸教派
- 教会と職制
- 要約