ICI ホームページ表紙 9.終末論のゆくえ 1.教義学の「笠石」 2.19世紀−脱終末論 3.20世紀−終末論の復興 4.新しき視点と危機感覚 5.先駆としてのカント主義 6.実存集中 7.歴史感覚と救済史 8.未来感覚と歴史の神学 9.最後の審判と刑罰 10.嵐の中の刑罰の教理 11.絶滅説と福音派 12.バルトのユニヴァーサリズム 13.全面的ユニヴァーサリズム 14.多元主義的ユニヴァーサリズム 15.第二バチカン公会議後 16.聖書的終末論への礎石


Part 2

第9章 キリスト教終末論のゆくえ?

5.先駆としての「カント主義」

2011/07/19


  1. 非神話化の方向性

    1. イエスの黙示文学的終末観−錯誤=ィ「生への畏敬の倫理」と再解釈(シュヴァイツァー)

    2. 原型−「万物の終わり」(1794、邦訳『カント全集』第14巻)

  2. カントの終末論的解釈−二本の柱

    1. 理論理性

      1. 正統主義キリスト教−ヨハネ黙示録を字義的に受け取り、構築する終末論→無化

      2. 神学的形而上学への批判に呼応−18世紀の宇宙論的・救済史敵終末論→否定

    2. 実践理性

      1. 聖書の記述−倫理的・精神的に解釈−実践的に有意義なものの比喩

      2. 終末論−not 歴史の事柄 but 倫理の事柄

      3. 実践理性により−道徳的・実存的な意味を獲得

  3. カントに示された一種の非神話化≠フ発想の応用

    1. リッチェルの価値判断の神学

    2. シュヴァイツァーの徹底的終末論

    3. C.H.ドットの「実現された終末論」(Realized eschatology)

      1. 「神の国」はあなたがたのところに来ている−イエスの言明=終末理解の全体の方向性

      2. not 黙示的・未来的 but 歴史の中に入った・神の隠された支配が現された・来たるべき時代が到来した