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第四章 福音派の最近の動向
現代福音派の主要な潮流
The Young Evangelicals by Richard Quebedeaux
16/04/13
A.現代福音派の主要な潮流
（ａ）戦闘的タイプの分離主義・・近代主義と根本主義（聖書の根本的教えに固執：アメリカ的現象―反共産主義、反リベラリズム、反世俗主義）の論争（１９２０年代）。リベラルなキリスト教からの分離（内）。世俗化からの分離（外）。政治的には保守主義。カール・マッキンタイヤー（長老派）。保守バプテストの流れ。
（ｂ）穏健な簡易信条主義・・ディスペンセーション主義。単立教会連盟。諸教派。Ｊ．Ｎ．ダービー（７つの時期）、スコフィールド（ダラス）、ハル・リンゼイ「地球最後の日」。
（ｃ）新福音主義・・第二次世界大戦（１９４５年）以後の流れ。カール・ヘンリー、ビリー・グラハム。ローザンヌ運動。ファンダメンタリズムの欠陥の修正版・現代版・再構成版（より説得力のあるものに）。ポスト・ファンダメンタル福音主義。イギリスは原理的でなく、実証的―Ｊ．パッカー、Ｊ．ストット（間口が広く実証的）。Ｐ．バイエルハウス、Ｃ．Ｆ．ヴィスロフ。
（ｄ）告白的福音主義・・宗教改革以後に生まれてきた古い教会。ルター派、改革派、聖公会（くずれてきている、ヒューマニズム）、等。リベラル化。合同長老教会―リベラル。プレスビテリアン・イン・アメリカ（シェーファー、ヴォイス）―福音派。バルト神学の評価の問題。リベラルの中にも福音派。ミズリー派―ルター派の中の福音的群れ。
（ｅ）社会的福音主義・・青年福音主義者。７０年代からの新潮流。後藤敏夫「終末を生きる神の民。福音を全体として生きる。社会的活動。創造→堕落→再創造。ジム・ウォーリス「寄留者共同体」。ローザンヌ会議：ビリー・グラハム→レイトン・フォード（ウルバナ大会）７０年代から社会的責任の強調。
（ｆ）カリスマ的福音主義
①反知性主義・・聖霊のさらなるうねりの障害
②敬虔主義・・社会的無関心
③エリート主義・・他のクリスチャンに対する優越感
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Ｒ．Ｑｕｅｂｅｄｅａｕｘ“Ｔｈｅ Ｙｏｕｎｇ Ｅｖａｎｇｅｌｉｃａｌｓ”ｐｐ．４１―４５
Ｂ．福音主義と現代の教会
（ａ）福音派の知的源流
①Ｃ．Ｓ．ルイスの捉え方（福音の現代的適用）
②Ｄ．ボンヘッファー（世俗生活のただ中において弟子として生きる）
③フラー神学校（寄合い所帯、教派的多様性、神学的多様性）―ベトナム戦争で揺れた、限定的無謬説―学的に柔軟で広い立場。
（ｂ）正統主義における革命
①Ｇ．Ｅ．Ｌａｄｄ「新約聖書と批評学」（無謬性に消極的、どういうふうに与えられたか）、Ｍ．エリクソン“Ｃｈｒｉｓｔｉａｎ Ｔｈｅｏｌｏｇｙ”書評（絶対無謬説、充全無謬説、限定無謬説）、Ｃ．ピノックーカナダ神学大学、元々堅い福音主義の立場。Ｂ．Ｂ．ウォーフィールドの聖書的啓示の無謬説（伝統的な啓示論）、近年神学的回心―限定的無謬説（神の御旨に直結した部分に限定して、歴史的な部分、今日の科学との問題。救済的記述と非救済的記述。）
②学校の信仰規準の改定
③男と女としての人間、パウロにおける文化的制約性。Ｃ．クラフト、Ｒ．コンガー「関係の神学」、ブロームリー（バルト）。学校側の管理指導ではなく。福音派の中の最も進歩的な人々の集り。リベラルとの対話。
（ｃ）伝道の基本理念（全人に届くこと）
①回心
②弟子化
③社会的関心
（ｄ）福音主義の社会的福音－福音主義に立っての社会的福音
①セックスータブー視、おおい隠してきた、現実無視の原理主義→現実認識。
ア）喜びの経験としてのセックス・ライフ、物質＝悪という意識の影響、
イ）マスターベーションは悪か、心理学の多くの分析では成熟期に意味あること。罪悪視から→容認へ。
ウ）健康的なセクシー・ライフ、いかに魅力ある存在たりうるか。
エ）離婚、再婚―健全な人間関係の破綻、離婚もやむおえない、形式は無意味、再婚のチャンス与えるべき。
オ）同性愛―ホモ、ゲイのための教会、ホモ・セクシャル・オリエンテーション（生来的に同性愛体質の人）→寛容であるべき。ホモ・セクシャル・プラクティス（興味から関わり）→駄目。
カ）婚前交渉、婚外交渉―最近のセックス意識調査→今までと違った形での導きが必要。
②女性解放―意味の文化的・時代的コンテキストの中で理解
③人種問題―Ｙｏｕｒ Ｇｏｄ ｉｓ ｔｏｏ ｗｈｉｔｅ！
④良心的政治―福音派は保守政治と手を組んできた、具体的発言をさけ、手を汚さない。
⑤貧困、環境問題―世界で富める国１９ケ国に世界人口の１９％、世界の富の７５％
⑥生活観―律法主義的、戒律主義的―飲酒、喫煙、ダンス、長髪―トランプの禁止（ラスベガスの影響）、社交ダンス（性的行為に近い）、ロック（エロチックでよくない）―再検討して明確な意見が必要