mi_200611-12.htm mi_200610.htm mi_200609.htm mi_200608.htm mi_200607.htm mi_200606.htm mi_200605.htm mi_200604.htm mi_200603.htm mi_200601-02.htm
────────────────────────────────────
[Monthly] 一宮基督教研究所インフォメーション・メール 2006/08/01-08/31
One More Paragraph! −組織神学的瞑想のひととき−
───────────────── ICI E-Mail Lectures Headline Digest
主の御名を崇めます
八月もようやく終わり、九月がスタートしました。八月は、秋の諸奉仕の
下準備と関連の神学書をたくさん収集し、目を通すことができました。
九月からの『現代福音主義神学研究 B(近代神学・現代神学・ポストモ
ダン神学編)』、十月の所属団体の拡大教職者セミナー:テーマ『JEC』、
十一月の福音主義神学会西部部会秋期研究会議の諸準備等、きわめて
多忙な季節となりそうです。お祈りのうちに覚えていただければ幸いです。
『現代福音主義神学研究 B(近代神学・現代神学・ポストモダン神学編)』
につきましては、多くの下準備資料を作成中です。テキストの分解ノートを
掲載しています。宇田進先生の『総説現代福音主義神学』を深く豊かに
読み解く一助にしていただければ幸いです。
8/13 神への崇敬、人への尊敬 !
20:1 それから神はこれらのことばを、ことごとく告げて仰せられた。
20:2 「わたしは、あなたをエジプトの国、奴隷の家から連れ出した、あなたの神、主である。
20:3 あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。20:4 あなたは、自分
のために、偶像を造ってはならない。上の天にあるものでも、下の地にあるものでも、地の
下の水の中にあるものでも、どんな形をも造ってはならない。
20:5 それらを拝んではならない。それらに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたし
は、ねたむ神、わたしを憎む者には、父の咎を子に報い、三代、四代にまで及ぼし、
20:6 わたしを愛し、わたしの命令を守る者には、恵みを千代にまで施すからである。
20:7 あなたは、あなたの神、主の御名を、みだりに唱えてはならない。主は、御名をみだり
に唱える者を、罰せずにはおかない。
20:8 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ。
20:9 六日間、働いて、あなたのすべての仕事をしなければならない。20:10 しかし七日目は、
あなたの神、主の安息である。あなたはどんな仕事もしてはならない。――あなたも、あな
たの息子、娘、それにあなたの男奴隷や女奴隷、家畜、また、あなたの町囲みの中にいる
在留異国人も。――
20:11 それは主が六日のうちに、天と地と海、またそれらの中にいるすべてのものを造り、
七日目に休まれたからである。それゆえ、主は安息日を祝福し、これを聖なるものと宣言
された。
20:12 あなたの父と母を敬え。あなたの神、主が与えようとしておられる地で、あなたの齢が
長くなるためである。
20:13 殺してはならない。
20:14 姦淫してはならない。
20:15 盗んではならない。
20:16 あなたの隣人に対し、偽りの証言をしてはならない。
20:17 あなたの隣人の家を欲しがってはならない。すなわち隣人の妻、あるいは、その男奴
隷、女奴隷、牛、ろば、すべてあなたの隣人のものを、欲しがってはならない。」
8/12
今日は、長男が滋賀県の東近江市から、長女が西宮市から、
次男は神戸市から帰ってきています。明日の礼拝と墓前記念
会と家族揃っての昼食会はにぎやかになりそうです。午後は、
ふるさとの、昔泳いだ揖保川の堰堤で、河童≠ノなって
泳ぎます。幼少の頃は、毎日川魚を追いかけてやまない生活
を送っていました。家の裏の大きな水槽には川魚がたくさん
泳いでいました。わたしの宝でしたね。今は、神学≠ニいう
魚を追いかけてやまない生活を送っています。
十月には、所属団体のJECの拡大教職者会で奉仕を頼まれ
ています。テーマは「JEC」です。過去には、岬福音教会牧師
時代に、諸集会の必要にせまられるかたちで約20ほどの論稿
を作成したものがあります。また、「JECアイデンティティ研究室」
で作成した資料が約30あります。JEC記念誌やJECニュース
に連載した「JECの源流と歴史的遺産」の12の論稿、JECと
同じルーツをもつミラード・J・エリクソン著、拙訳『キリスト教神学』、
電子メール講義録等々、膨大な資料を再び整理して読み返して
います。
「JEC」というものを考えますときに、一冊の書籍を思い出しました。
私の愛読している神学者のひとり、英国の気鋭の新約神学者、
J.D.G.ダン著“Unity and Diversity in the New Testament”
です。「JEC」はスウェーデン・バプテスト系諸教会の背景をもち、
簡易信条型≠フ信条をもつ群れです。そのために、かなりの
多様性を内包する群れとなっています。ある人は「百人のバプテ
ストが集まれば、101の教会ができる」と言いました。
そのような多様性を内包する群れの中にある共通項≠明ら
かにしていくことが私の奉仕に期待されているものと思います。
J.D.G.ダンは、「本質においてひとつ、本質的でないものに
おいて自由、すべてのことにおいて愛」と記述しています。その
ような方向で整理していきたいと考えています。
すでに、多くの下書きをスケッチ風≠ノ書き留めています。
あと二ヶ月弱、少しずつ焦点をしぼっていかなければなりません。
ただ、当日の奉仕のためだけの資料ではなく、「JEC神学序説」
のようなかたちでまとめて、セミナーの後も、「JEC」として神学
のあり方をどのように捉えていくべきなのか、多くの教職者の間
で共有しうる「JEC神学を彫琢していく神学形成手順」のような
ものを明らかにしていくことができたらと願っています。
良き備えができて、良い奉仕ができるようお祈りのうちに覚えて
いただければ幸いです。
8/6 福音のエッセンス:対象・時間等々、TPOで語るレベルの識別
8/5 「組織神学」補講 紹介:現代 福音主義神学 研究 B
一宮基督教研究所 講義要項
科目名 現代
福音主義神学 研究 B :近代神学・現代神学・ポストモダン神学編
目的、目標
2006年度後期から、エリクソン著『キリスト教神学』において扱われて
いる「現代神学」「現代哲学」「現代思想」等々の領域を学ぶ上での補講的な
意味合いから、宇田進著『総説 現代福音主義神学』をテキストとして『現代
福音主義神学 研究 B (近代神学・現代神学・ポストモダン神学 編)』を学ぶ
ことにしました。
「現代神学」「現代哲学」「現代思想」等々の詳細な学びではなく、「十六世紀
の宗教改革に根ざす歴史的な福音主義キリスト教の視点を尊重する立場から、
1.今日の神学的状況と動向に関する分析と情報の提供,
2.注目すべき問題点と主要な争点の指摘,
3.福音主義を標榜する諸教会の核≠成すその信念体系≠フ確認と、
それに関するより一層の掘り下げへの呼びかけと、そのための一つの材料」
のパースペクティブとエッセンスを把握することを目標に学びます。 なお、この
講義は、「福音主義神学研究
A :歴史神学 編」の学びを前提にしています。
一宮基督教研究所の「組織神学」の講義は、“Introducing Christian Doctrine”
つまり、エリクソン著『キリスト教神学』の要約版を使用してきました。翻訳出
版後は、神学生の手に『キリスト教神学』四巻があるわけですが、その内容
の「近代神学・現代神学・ポストモダン神学」の部分は、米国では大学院レベ
ルの内容ですので、キリスト教神学の初歩から神学校での学びをスタートする
日本の神学校の生徒には、かなり難しいのではないかと思います。
それで、ここ数年その課題を胸に秘めて取り組んできましたのが、
「現代
福音主義神学 研究 B :近代神学・現代神学・ポストモダン神学編」です。
この講義を後期に向けて、準備中です。希望者にはDVD講義録をお分かち
させていただきます。福音派の「組織神学」のスタンダード『キリスト教神学』
四巻が、本棚に埋もれる書籍ではなく、信仰生活と奉仕の最前線でフルに活用
される書籍となるよう、祈りつつ、取り組んでいます。
この講義が、豊かさ、深さ、透徹した洞察力を伴いつつ、分りやすい講義、
そして奉仕現場に意味のある講義となるようお祈りください。
8/1 靖国神社「解放」論 Yasukuni and Public Philosophy 紹介
靖国神社「解放」論 Yasukuni and Public Philosophy(←詳細な概略の紹介へリンクしています)
稲垣 久和 著 価格: ¥ 1,000 (税込み)
目次
序章 なにが問題なのか?
第1章 靖国問題解決のための「公共哲学」―公私二元論の呪縛を超えて
第2章 滅私奉公イデオロギー―靖国の正体
第3章 靖国的原理主義の回避―「戦没者への哀悼」を再考する
第4章 「伝統」を尊重するからこそ反対する靖国参拝―日本人識者による「靖国論争」を再考する
第5章 歴史認識のズレはこうして生まれる―人間の異なる「記憶」を和解させるには
第6章 新たな追悼と記憶のかたち―「精神の自由」「心の問題」という欺瞞
おわりに 「靖国」という呪縛からの解放をめざして
私自身は、共立基督教研究所に内地留学のときに、ヘルマン・ドーイヴ
ェルトの「キリスト教哲学」の視点から、「世界の諸宗教」を神の啓示に
したがって分析・評価することを原理的かつ本質的に徹底的に教えてい
ただきました。
母校の一宮基督教研究所で、「比較宗教学」を担当を依頼されましたときには、
神道や仏教等々の膨大な情報を教えることはしないで、稲垣久和著『大
嘗祭とキリスト者』を教科書として、日本の宗教史とそれらの神の啓示の
視点からの評価と分析、そしてその歴史の中におけるキリスト者の位置づけ
をキリスト教哲学の視点から、徹底して教えました。
それは、共立基督教研究所時代に、ヘルマンドーイヴェルト著『西欧文化の
ルーツ』という書籍を受講する学生で一章ずつ分担して翻訳し、学んだときに、
私の担当しましたのは、下記の箇所でした。その学びは、ドイツのキリスト教
がナチス・ドイツとどのようであったのか、そしてナチス・ドイツの本質をギリ
シャ・ローマに起源をもつ西欧文化のルーツから流れる原理的展開にみて
いく徹底した分析と評価でした。
「第三章 歴史、歴史主義、そして規範」(枚数:18ページ)
開示と分化
伝統と文化
未分化の社会
中世の社会
ヒットラーの逆行
分化
文化経済
個別化と国民のアイデンティティ
歴史における神の裁き
そして、『大嘗祭とキリスト者』は、日本の天皇制の本質と原理を、日本の
宗教史のルーツとアイデンティティにさかのぼって、神の啓示という「まな板」
にのせて、徹底的に解剖したものです。日本の宗教全般といいますと、なにか
迷路に入ったような気がする課題ですが、「原質」と「形式」という基本概念を
もとに、非常に分かりやすい講義内容になっていると思います。
私の場合、「宗教の問題」、「日本の宗教」、「天皇制」、「靖国問題」等々は、
稲垣久和先生の著作に全面的な信頼をおいて、とりくんでいます。その意味で、
今回の書籍は、キリスト者の間でも、どう対応し、どう発言してよいのか、困難
を感じておられる方が多い領域ですので、ICIのホームページを通しても、大々
的に紹介させていただきたいと思っています。一宮基督教研究所と生駒聖書学院
での「比較宗教学(宗教の神学)」の講義でも、重要テキストとして購入し、利用
させていただく予定です。