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2017/03/20



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 [Monthly] 一宮基督教研究所インフォメーション・メール 2011/07/01-07/31
     One More Chapter !   −聖書神学的視聴のひととき−
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───── A Series of Re-Reading ”The Theology of Paul’s Letter”

主のみ名を崇めます

 今月は、先月の牧師会より、大阪府の橋下徹知事の「日の丸条例」と「処罰条例」に関する取り組みをしており、関西そして特に大阪府にメンバーを多く抱えているわたしの所属団体として、これらの事態を正しく認識し、他の福音派諸団体とともに反対する声明を出すべきではないかと思い、いろいろと話し合いのときをもったが、牧師個人として一定の賛同は得られても、所属団体全体として声明を出すところまでは難しいとの意見が多くあり、ICIあぐろ個人が反対・抗議文書をまとめ、それに賛同者をつのるかたちとなった。それでもかなりの牧師たちが賛同の意志を表明し、署名・捺印をいただき、大阪維新の会に送付することができた。

 それと、時を同じくして、リバイバル・ジャパン誌よりこのテーマで原稿依頼があり、わたしのこころにある懸念を『天皇崇敬条例制定前夜?』というテーマで発表することができ感謝だった。また、このテーマを扱う文脈の中で「ローマ人への手紙」の講解説教シリーズをなしたり、この秋からは所属団体の機関紙に六回シリーズでこのテーマと取り組むことができることは感謝なことである。「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」とは、ドイツのワイツゼッカー大統領のことばであり、「過去のナチスの犯罪は現在のドイツ人とは無関係」と考えるドイツ人に対する警告である。そして、わたしの論稿は「過去の天皇崇拝・神社参拝をした日本人クリスチャンは、現在のクリスチャンと無関係」とする今日のクリスチャンに対する懸念である。つい66年前に、あのような苦難と背教に類した経験をしておりながら、「のど元過ぎれた熱さ忘れる」日本人の気質だろうか、日の丸・君が代とともに天皇陛下の写真が並べられていた戦前のことを忘れてしまっているのではないかと心配している。

 この夏、これらのテーマを扱っている中で、元最高裁長官の藤林益三氏の著作集に目を通していて気づかされたことがひとつあった。それは、戦後の日本国憲法制定の後も、国家と宗教の問題、信教の自由の問題があいまいなまま、ずるずるときていた中で、藤林氏の担当された津地鎮祭訴訟″ナ高裁判決の反対意見の中の、追加反対意見の中の、「宗教的少数者の権利」を書き記された藤林氏の意見が、それに続くこれらをテーマとする最高裁判決の中の少数意見の礎石≠ニしての役割を果たしているということである。日の丸・君が代裁判の最高裁判決に反対された宮川光治裁判官の少数意見もまた然りである。藤林氏は、多数意見が「政教分離の原則が現実の国家制度として具現される場合には、それぞれの国の社会的・文化的諸条件に照らし、国家は実際上宗教とある程度かかわり合いをもたざるをえないことを前提として」判決を下したのに対して、「この判決で最高裁は宗教的少数者に対して、多数者に対して寛容であるように、と説いた。だが、私に言わせれば、多数者が自らの行為を容認するよう少数者に求めるのは、寛容ではなく、服従を強いることである。寛容とは本来、多数者が少数者に示すものである。判決の多数意見を読んで、日ごろから信仰の問題をきちんと考えている裁判官がいなかったのはさびしい限りだった。それに、津地鎮祭訴訟では五人の反対意見が出たが、自衛官合祀訴訟では伊藤正巳裁判官ただ一人になっていた。伊藤裁判官は津地鎮祭訴訟の私の追加反対意見を引用して『傾聴すべきものと思われる』と書いた。私の意見は、判決批評でも賛意を表してくれる学者が多い。将来あれが足がかりとなって、多くの人々が国家と宗教の問題を考えるようになり、判例が変更されればよい、と思っている」と書き記している。

 宗教的少数者の人権に対して見識の欠如した裁判官が多い日本において、日本の将来の判例変更の、いわば錨≠フような追加反対意見を書き記された藤林氏に感謝したい。そして、多数者に膝を屈し、戦前の過ちを繰り返すことになるかもしれない傾向に迎合し、時流に乗ろうとする輩に翻弄されるのではなく、藤林氏のようなスタンスからこそ、日本のキリスト教会はもっと多く事を学ぶべきではないのかと思う次第である。

ICI あぐろ

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   2011.07.31 ローマ人への手紙講解説教シリーズ
「2. キリスト教的生における義認の現実:A肉における存在から、
霊における存在へ:b.過去−罪と死の律法の下にあったわたし:
 β. わたしの内における律法の支配の現実
           一部紹介        
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   2011.07.24 ローマ人への手紙講解説教シリーズ
「2. キリスト教的生における義認の現実:A肉における存在から、
霊における存在へ:b.過去−罪と死の律法の下にあったわたし:
 α. わたしに対する律法の支配
           一部紹介        
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   2011.07.17 ローマ人への手紙講解説教シリーズ
「2. キリスト教的生における義認の現実:A肉における存在から、
霊における存在へ:a.支配の転換
           一部紹介        
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   2011.07.10 ローマ人への手紙講解説教シリーズ
  「2. キリスト教的生における義認の現実:@現実的な義
       b.義への奉仕におけるキリスト教的生
           一部紹介        
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   2011.07.07  リバイバル・ジャパン誌原稿
       「天皇崇敬条例」制定前夜?
         シリーズ 神学公歓        
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   2011.07.03 ローマ人への手紙講解説教シリーズ
 「2. キリスト教的生における義認の現実:@現実的な義:
             a.キリスト教的生における洗礼の現実
           一部紹介        
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           2011.06.29
  「君が代条例・処罰条例 反対に関するICI声明
   *プリントアウトして、抗議声明として自由にご利用ください。        
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「大阪維新の会」様 

 私たちは、「君が代起立命令」に関し、合憲判断を下した最高裁判決の中で、反対意見を述べた宮川光治裁判官に意見に留意しつつ、大阪維新の会による「君が代条例」と「処罰条例」に強く反対します。

憲法は少数者の思想・良心を多数者のそれと等しく尊重し、その思想・良心の核心に反する行為を強制することは許容していません。国旗に対する敬礼や国歌の斉唱は多くの人々にとっては自発的な行為であり、起立斉唱は儀式におけるマナーであるでしょう。しかし、そうではない人々が相当多数存在しています。少数であっても、そうした人々はともすれば忘れがちな歴史的・根源的・宗教的問いを社会に投げかけています。

 「君が代条例」は、〔目的〕府民が伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛する意識の高揚に資するとともに、府立学校、府内の市町村立学校における服務規律の厳格化を図る、〔国旗掲揚〕府の施設で執務時間に国旗を掲げる、〔国歌斉唱〕学校の行事で行われる国歌斉唱では、教職員は起立により斉唱を行う、という骨子で構成されています。

 「君が代条例」は、直接には教職員らの歴史観、世界観、宗教観、教育上の信念をもつことを禁じたり、これに反対する思想を強制したりするものではないので、一見明白に憲法「第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」に違反するとは言えません。しかし、不起立不斉唱は思想・良心・信仰の核心の表出であるか、少なくとも密接に関連する可能性があるものです。

 「君が代条例」は、起立斉唱行為を一般的、客観的な視点、いわば多数者の視点で評価しています。およそ精神的自由権、宗教的自由権に関する問題を多数者の観点からのみ考えることは相当ではありません。割り切って起立斉唱する方もあるでしょう。面従腹背される方もあるでしょう。起立はされるが、声を出して斉唱されない方もあるでしょう。深刻に悩んだ結果として、あるいは信念また信仰告白としてそのように行動することを潔しとしなかった場合、その信条や行動を一般的でないからとして過小評価するのは相当ではありません。

 1999年の国旗・国歌法の施行後、都立高校において、一部の教職員に不起立不斉唱があっても式典は支障なく進行していました。こうした事態を、起立斉唱を義務づけた都教委の2003年の通達は一変させました。卒業式に都職員を派遣し、監視していることや処分状況をみると、通達は式典の円滑な進行を図る価値中立な意図ではなく、特定の歴史観・価値観・宗教観を持つ教職員を念頭におき、その歴史観に対する強い否定的評価を背景に、不利益処分をもってその歴史観に反する行為を強制することにありました。

 大阪府の場合、橋下知事は教職員が自分の思うように動かないことにいらだちを表明してきました。学力向上のため競争を持ち込もうと全国学力調査の結果を市町村別に公表しようとしたも、教員から「過度の競争につながる」と批判の声が上がったことを問題視してきました。今の教育委員会制度は戦後、教育の政治的中立性を保つためにつくられた仕組みで、首長の価値観で口出しできないようになっています。そのような只中、先の統一地方選挙で、知事の率いる「大阪維新の会」が過半数の議席を取ったことで、知事の思うとおりの条例をつくることができるようになりました。そのようにしてつくられた最初の条例でした。9月の府議会では、繰り返し違反した教員を免職にする仕組みを決める条例をつくりたいと明言しています。

 日本の歴史を振り返りますと、秀吉・家康の時代にキリシタン弾圧があり踏絵によって「内心の宗教観」が強制的に表出させられ、残酷な刑罰が下されました。明治政府成立期には、教育勅語に拝礼しなかった人々は、内村鑑三をはじめとし数多くの教職員が職を奪われました。満州事変以降、戦争が激化した時期の国家神道下で、日の丸・君が代・天皇崇拝・神社参拝等が強制され、従わない者は処罰され迫害されました。このような歴史をもつ日本に、第二次世界大戦後、歴史上はじめて「真の思想・信条の自由」「真の信教の自由」が保証される憲法が与えられました。私たちは、この愛すべき国日本を「真の思想・信条の自由」「真の信教の自由」が保証される国として、子々孫々へと継承していきたく願っています。教職員においてすら、そのような自由が徹底して保証される国、どのような歴史観・価値観・宗教観の教職員も、それぞれの内心の自由が尊重されるとともに、その内心の自由を侵すいかなる所作も強制されることのない国として継承していきたく願っています。

 

2011617

代表 一宮基督教研究所 安黒務

 

 私たちは、上記の主旨に賛同し、大阪維新の会の「君が代条例」と「処分条例」に反対します。

賛同者 署名

住所 氏名 捺印
     
     
     

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   大阪維新の会「君が代条例」「処罰条例」を考える資料
            
右傾化する時代における「主の祈り」 
    *ご自由にプリントアウトしてご利用ください。
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